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こんなにも恋しい君

こんなにも愛しい君


君が居れば、それだけでいいよ






*--- 大正浪漫譚 ---*





「ドルチェット〜!」


今日も聞こえる、大切な人の声


「お、お嬢さん、何して…?!」

「あのね、これからお父様が帰ってくるの!だから驚かせようと思って!」


ひょいひょいと木に登って…って、馬鹿か!


「わ、ちょっ!お嬢さん!!危ねぇから、降りて下さい!!」

「いいの〜!登るの〜!吃驚させるの〜!」

「いいから、降りろ…って?!」

「…わ、きゃっ!!」



ぼすんっ!



落ちてきた体をなんとか受け止める



案の定足踏み外しやがって

まったく…このおてんば娘は…(怒)



「ドルチェット、ナ〜イスキャ〜ッチ☆」

「……ンの馬鹿お嬢!!何考えてんですか!!」

「えっへへへ、怒られちゃった☆」

「そりゃ怒りもしますよ!」

「ごめんね、わんこvv」

「わんこ言わんで下さい!」

「ごめんね、ドルチェット」

「まったく……もし、お嬢さんに怪我でもされたら…」

「ん?私に怪我されたら、何?」



…来た、この笑顔…

いつもこれに負けちまうんだよな



「なぁに?ドルチェット?」

「その…旦那さんに怒られますから…」

「確かにそうだねぇ、お父様過保護だから。でも、それだけ?」

「………っ」



顔が紅潮していくのがわかる



「ねぇ、ドルチェット…?」



腕の中で微笑む、俺の雇い主

肩に置いている手に力が入る


…想っちゃいけない…立場が違いすぎる…



「黙ってたらわかんないでしょ?ど・る・ちぇ・っ・と?」



俺の葛藤も知らないでこの馬鹿…



「…お嬢さんは……」

「ん?」

「………お嬢さんは、俺の、大事な人、ですから」

「……うん!ありがとぉ!」



満面の笑みになった、俺の大切な人


畜生、俺ってこいつの前ではいつも負け犬だ



「えっへへへ〜☆わんこ、わんこ☆」

「わんこ言わんで下さいってぇの!」



まぁいいや


こうして一緒に居られるなら

こうして触れることが出来るなら…それだけで…






*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*





「おや、今日もあのお嬢様のところへ行くのかね?」



じろっと冷たい視線が俺を貫く



「えぇ、仕事ですもの」

「たまには私と食事でも如何です?」

「結構です」



突き放された物言いにももう慣れてしまった

初めて声をかけたときもこんな感じだったな

あの時は、あまりにも珍しいことに、とても驚いてしまったな



「仕事も大切かもしれませんが、そんなに仕事仕事では体を壊してしまう」

「楽しいですし、お嬢様もとても良い子ですからお気になさらず」

「私は貴方を心配しているんです、トキヨ」

「勝手に下の名前を呼ばないでくださる?マスタングさん」



こんなつっけんどんな態度にも

どこか愛おしさを感じている自分に

すこし自嘲しながらも彼女についていく



「…あの、ついてこないで下さるかしら?」

「残念だが、私も約束があるのでね」

「………あぁ、旦那様にですか」

「そうだ」



こういう時、あのお嬢様の父親が、俺の友人で良かったと思う

ま、行ったら行ったで娘自慢を散々聞かされるだろうが

彼女と居られるのならば、苦にはならないか



「あ…ッ!」

「おっと」



足下の石に躓いた彼女をそっと支える

彼女の持っていた日傘が、落ちた拍子に僅かに音を立てた



「トキヨ、大丈夫かね?」

「…ッ!だ、大丈夫です!!」



バッと離れようとする体を、無理矢理引き寄せる



「ちょっと!!離して下さい、マスタングさん!!」

「トキヨ、名前で呼んでくれないか?」

「な、何馬鹿なこと…!!」

「私はこのままでもいいんだが?」




彼女の顔が真っ赤に染まる

少し意地悪かもしれないが

こうでもしないと君はすぐに俺から離れてしまう




「…っ…ロイ、離して…!」

「…もう少し、このままは嫌かね?」

「は…?!」

「もう少しだけでいいんだ」

「……もう…少しだけ、ですからね」

「あぁ」




遠くから風の音が聞こえる


あとで日傘を拾ってやらなければ

風に浚われてしまう前に…






*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*





「こら、何してんだ」

「わぁっ!!」



仕事を終えて部屋に入ってみれば

焦って取り乱す居候の少女



「一体何してんだ、サトル?」

「な、な、なんでもないっ!!」

「ほーぅ…じゃぁ、背中に隠してるモノを見せられるよなぁ?」

「あ…ばれてた…」



そりゃこんだけあからさまに、両手を背中にしてたらな

さてさて、一体何をしてたんだぁ、こいつは



「…はい」

「あ?こりゃ、俺のカメラじゃねぇか」



後ろから出てきたのは、俺が新聞社を立ち上げた時に使っていたカメラ

しまっておいたのに、どっから見つけだしてきたんだか



「ごめんなさい」

「そんなん引っぱり出してどうすんだ?」

「……その…えっと…これ、欲しくて」

「はぁ?」

「これ、私にくださいっ!!」



何を言い出すかと思ったら…



「そんなボロでいいのか?最新のを買ってきてやってもいいんだぞ?」

「これがいいんです!」

「なんで?」

「え?えっと…ぐ、グリードさんが…使ってた…から」



随分可愛いことを言ってくれる

こいつを拾ってから何年経ったか…

よくもまぁここまで俺の予想以上に育ってくれたもんだ



「で?それで一体何をしたいんだ?」

「そりゃ、写真撮るんですよ」

「そうじゃなくてだ」

「…あー…えっと、私、将来、記者か探偵になりたいんです!」

「…ほぅ」

「め、珍しく馬鹿にしないんですね」

「なんだ?馬鹿にして欲しいのか?」

「そうじゃないですけど…」



ちょっとからかうだけで、すぐにふてくされる

そんな顔が、すごく可愛くて、思わず抱きしめていた



「わぁ!ぐ、グリードさんっ!」

「サぁトル、暴れるな、痛ぇから」

「暴れない方がおかしいです!!」

「家主+局長命令と言ってもか?」

「ぐ…っ!!」



ようやく静かになったな


さぁて、この後どうしてやろうかな…

ちょっとばかり苛めちまおうかな






*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*





こんなにも恋しい君

こんなにも愛しい君


君が居れば、それだけで…


それだけで、いい








+----- 後書きなんぞ付けてみる -----+


うっわ、恥ずかしっ(ぉ)


こんにちわ、著者の光稀です。

これはですね〜、管理人&副管理人の隠し落書きページで
私がつらつら〜っと描いたイラストが発端のパラレルモノです。

大正時代をベースに考えたのですが、
いまいち時代背景をわかっていません(蹴)
今度はちゃんと調べて書きます故お許しを;;(つか書くんだ)

えっと、わかりにくいだろうと思うので、軽く説明をば…


☆ミツキ→活発でおてんばなお嬢さん。かなりの問題児。
★ドルチェット→ミツキ宅の使用人。ミツキの世話係でもあり苦労人。
☆トキヨ→ミツキの家庭教師。ミツキの姉的存在。
★ロイ→警察の上層部の人間。ミツキの父と仲がよい。
☆サトル→グリード宅の居候兼新聞局社員。たまにミツキ宅に遊びに来る。
★グリード→新聞局局長。一応(ここ重要/笑)サトルの保護者。
★ヒューズ→ミツキの父。警察上層部の人間でロイの友人。(今回は登場せず)


こんな感じになっております。
見事に趣味全開設定とか言わないでください、わかってます(涙)

これからこのネタも書けたらいいなぁと思ってます。
それでは、最後まで読んでくれた貴方に感謝致します。  Mitsuki.T