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さぁ、考えてみようか

恋人の証って?

***HR story*** Dolcetto×Mitsuki

雪が、降っていた。

真っ白な雪。

デビルズネストの面々も酒場の周辺も、何時もの賑やかさとは違いシンとしていた。
遠くから子供のはしゃぐ声が微かに聞こえるだけだった。
まだ閉店中の酒場では、カタンカタンという音だけが響いていた。

「さみぃ〜〜っっ」
「うっさいわねぇ、犬は喜び庭駆け回るって言うでしょ、外に行きなさい外。」
「ああ?!んだとマーテル!誰が犬だ!」
「アンタよアンタ。」

ドルチェットは自分を犬扱いしたマーテルに怒声を浴びせた。
しかしマーテルは簡単に受け流しロアとのチェスに集中する。
ドルチェットはチェスが苦手とゆーか向いてないとゆーかそもそも頭使う事無理とゆーか(待てこら。)
そんな訳でチェスを観戦する気にもならないのだ。
ふと、先程まで居た筈の女が居ない事に気付いたドルチェット。

「なぁ、ミツキの奴何処行った?」
「む、さすがに恋人となると傍に居ないと不安か」
「……こンのデカブツが…」

珍しくロアにからかわれた所為か無性にムカついたようだ。
カタンと、駒を移動させながらマーテルが続けた。

「ミツキなら確か外よ。雪積もってるーとか言って出てったわ」
「…ふーん」

ドルチェットは少し考えた後、座っていたソファから腰を上げ、上着を取ると外に向かった。
バタンと扉が閉まる音を確認してからマーテルは声を殺して笑い出した。

「ったく、初々しいというか何と言うか」
「まだまだ若いな」

すると、カウンターの隣の扉が静かに開き、ある人物が入ってきた。
カウンターに座り酒を嗜んでいた部下達と軽く挨拶を交わし、マーテルとロアの方へ歩み寄る。

「なんだ、ドルチェットの奴外行ったのか」
「あ、グリードさん」
「おう。相変わらず仲良くゲームか、てーかロア負けそうじゃねぇかよ」
「ははは、何度も挑戦していますが、やはりマーテルには敵いません」
「でも私だってグリードさんに勝った事ないわよ」

軽く笑いながらそんな話をしていると、その雰囲気をぶち壊すかのように大声が酒場に響いた。

「グリードさんっ!!勝手に人の部屋入んないで下さいよ!そして窓を開けたら閉めて下さいっ!!」
「おー、サトルじゃねぇかー」
「何がおー、サトルじゃねぇかですか!部屋戻ったらすごく寒かったんですからね!」
「あー、悪ィ悪ィ、部屋覗いたらお前居なかったからよ。んで窓の外が雪景色だったからつい開けちまって」
「だぁから閉めろって言ってんでしょーっ!!」

思いっきり眉間に皺を寄せあーだこーだとグリードに大声を浴びせてるのはサトル。
グリードの…いわゆる恋人?(ぉ
歳の差が歳の差なのでまだまだ初々しいのです。…なんのこっちゃ(笑)

「まぁ冷えた時は言えって、添い寝して温めてやる」
「真顔で言わんで下さい。そして御免被りです。」
「ンな冷たい事言ってるくせに顔赤ぇぞぉ」
「っっ!!/////…部屋戻ります!」

バカップルと突っ込みたいところだがここはあえて何も言わないデビルズネストの面々。
部屋に戻っていくサトルを追いかけグリードが酒場から出て行った。

「ふぅ。…さて、あちらのカップルはどうしたのかしらねぇ」

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「ミツキの野郎何処行きやがった…。」

ミツキを探しに外へ出たドルチェット。
しかし酒場の周辺には見当たらず、裏路地なども探したが見つからず。
仕方なく、人気が多い為好きではない中央広場の方まで行く事に。
雪は今も尚降り続けており、地面は白く染まってきた。

「…まったくこんな寒い日に外出てんじゃ……ん?」

その時、見慣れた後姿がドルチェットの目に入った。
間違いなくあれは……自分の愛する女の後姿。
スタスタと早足に近寄ってみる。当のミツキは店頭に並んでいる小物に夢中になっているようだ。

「おい、何見てんだ?」
「っわぁ!!;;…ビ、ビックリしたぁ、ドルチぃかぁ;」
「あのなぁ、勝手に外行って勝手にこっちの方まで行ってんじゃねーよ」
「もしや心配してくれてたり?」
「っバッッ!!////別にしてねぇよ!!」

それはそれは判り易い反応だった為、ミツキは思わず吹き出し、挙句の果てには腹を抱えて笑い始めた。
もちろんそんな事された日にゃ顔を真っ赤にしてもおかしくはないだろう。

「お前なぁ…」
「だ、だってだって!ドルチぃ可愛いんだもんっ!顔真っ赤だし!」
「……………」

さすがにそろそろ怒るべきだろうかとドルチェットは自問自答し始める。
しかし、公衆の面前で女に向かって怒声を浴びせるなど男としてあるまじき行為だろうと思い、
仕方なく話を逸らす方向に出た。

「…で、お前何見てた訳?」
「はーっ、笑った。んとね、宝石加工したアクセサリとか見てたの、すごく綺麗だよ」
「ふーん、買うのか?」
「うん、ドルチぃとおそろ☆どれにしようか迷ってるんだよなぁ」
「お、おそろってお前…///;」

少しも恥ずかしがる事なく言ってのけるミツキに対し、ドルチェットはまた頬を朱に染めた。
ミツキは色とりどりのアクセサリを手に取っては見比べ元の位置に戻す。それを何度か繰り返した。
そしてうーんと唸り、最後には満面の笑みで「決めた!」と声を上げる。

「決まったのか?」
「うん!これとこれにする」

ミツキは二つのブレスレットを手に取るとドルチェットに見せた。
右手にはオリーブの宝石が埋め込まれた銀のブレスレット。
左手には宝石の部分が白銀のブレスレット。
そして右手をずいっとドルチェットの方へ差し出す。

「因みにドルチぃはこっちねv」
「ていうかよりによって腕輪かよ。首飾りじゃ駄目か?」
「駄目だよぉ、そしたらドルチぃ服の中に隠すし。それにドルチぃは首飾りっつーか首輪でしょーに」
「………ぜってー付けてやんねぇ。」
「ぎゃーっ!ごめんなさいぃぃ!」

「ありがとうございましたー」

「いやー、焦った焦った」
「お前は一言多いんだよ」
「あはは、ごめんなさーいv」

本当に悪いと思っているのか…。ドルチェットは返答が予測出来た為言葉にはしなかった。
そしてやっとデビルズネストへ帰ることになった

「…ていうかよ、お前何で俺に何も言わずに一人で外出たんだ?」
「んー…。ドルチぃに何かプレゼントあげたくって」
「プレゼントって…何で」
「ほら、あたし達…その…恋人…になってさ、その証っていうか何というか…」

ミツキは赤くなりながら訳を話した。
もちろんそれを聞いたドルチェットも赤くなり、照れ隠しするように目線を逸らした。
しばらく黙々と歩き続け、ドルチェットがぽんぽんとミツキの頭を軽く叩く。

「…ばぁか。別に形で表さなくったって…その…あれだ、恋人に変わりねぇだろがっ」

ミツキは先程よりも顔を赤く染め、小さく、小さく、うんと頷いた。

「寒いね」
「寒いな」
「手冷たいや」
「…手袋くらいつけてこい、バカ」

ミツキの手よりも大きめの手がぎゅっと冷えた手を握り締めて、そのままポケットに入れられる。

「…これでいいだろ」
「……ん。」

雪はまだ降り続いていて

とても寒くて

でもこの温かさは

確かな証を残して

今も、この掌の中にある。